2007年09月01日

朝青龍問題

2fa60420.jpg僕は相撲が大好きです。最近朝青龍問題がさかんに報道されていますが、所感を少々。今日本の大相撲が岐路に立っていると思うので。日本の伝統芸能になるのか、独自の興行として存続するのか。

基本認識として大事なのは、力士を志す日本の若者が激減しているという事実。7月場所では史上初めて新弟子応募がゼロだったそうです。今の子供たちに聞いてみたらいい、将来相撲取りになりたいという子がクラスに何人いるか。力士になりたくないんです。魅力がないんです。サッカー選手や野球選手になりたいんです。

そんな中で主に相撲を盛り上げてきたのは、若貴をはじめとする二世力士と、ハワイやモンゴルの外国人力士。人材はそこにしかいないんですよ。本来は強くなる素質ある日本の若者は相撲業界には来てません。特にモンゴル系は良い人材が多く、強い。周囲が弱いんだから、当然出世も早い。下積みの期間は存在しない。「心技体」なんて学ぶ時間もないスピード出世。朝青龍はまだ26歳ですよ。それだけ周囲が弱く、彼は強いんです。

見る者にとって、相撲はルールの明快さが最大の魅力です。明快なルールのなかで一体どっちが強いんだろうと。それが面白いんです。これがプロレスみたいに「強そうな感じのするほうが勝つ」みたいな芝居だったら面白くないですよね。だから強いことが最も重要な基準なんです。人物が最高に素晴らしく礼儀正しいけど弱い・・これでは力士として尊敬を集めることは不可能でしょう。

相撲の魅力の源泉である「どっちが強いんだ」という要素を守ろうとするならば、日本人の競技者が減少している以上、世界中からどんどん強い人材をとっていくしかない。国際化に活路を見出す、ということはある。野球のメジャーリーグのように、K-1のように、大相撲が経済的・興行的に生き残っていく、または更に盛り上っていく道は開けていくと思います。

一方で相撲は日本の国技であり、そこに流れている伝統的な価値を重んじるべきだという声も強くあります。「強い」だけじゃ駄目なんだと。日本人の模範となる礼儀正しさが横綱には求められるんだと。相撲取りは、土を嘗めるような厳しい下積みを経て、人間的にも成長し、「気は優しくて力持ち」で、人々の模範となり、尊敬を集める存在になるんだ、という世界です。

見るほうはそういう価値を求めますが、一方で、それに付随する封建的な価値観が、やるほうにとってはつらい。21世紀の現代で、数世紀前の価値観が支配している相撲業界。これが日本の若者が相撲を敬遠する理由です。しかも、日本人の若者ですら嫌気がさしているそれらの価値観を、外国人の若者に求めるというのはどういう訳なのかと。そういった文化的なハードルが高ければ高いほど、外国人にとっては参入障壁になります。

日本人もやらない、外国人も敬遠する、となったら、相撲は盛り上がらず、早晩経済的に興行が成り立たなくなるでしょう。そうなれば苦労して横綱になっても高い給与が望めなくなるので、ますます相撲を志す人は減るでしょう。そもそも「経済的成功」以外に外国人が相撲を志す合理的理由はないでしょう。

それでも国技としての日本の伝統を重視するのであれば、能や歌舞伎のように二世力士が集まって、こじんまりと続ける手もある。無形文化財の指定でも受けて、政府の補助金で生き延びることも考えられる。相撲の魅力の源泉である「どっちが強いんだ」は捨てて、そこに流れている伝統的な価値観、既に失われてしまった古い日本の価値感を守ることを重視するということです。「本気でやったら強い」外国人力士はそこに必要ありません。

長くなりました。言いたいのはただひとつ。俺は伝統芸能は見たくない。日本相撲協会は自己変革し、たくさんの日本の子供たちが「将来相撲取りになりたい!」と思えるような業界になってほしい。その変革を怠ってきたツケが、朝青龍問題として今まわってきているのです。

qrie at 11:37コメント(2)トラックバック(0)スポーツ  この記事をクリップ!

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コメント一覧

1. Posted by PD   2007年09月01日 15:01
うん、そのとおりだと思います。

新横綱誕生とほぼ時を同じくして「みんなでたたけ」な
空気はどうなんでしょう???


個性的な若手力士がまた出てきています。
相撲ラバーとしては歓迎していた矢先にコレ。

楽しい相撲が観たい!
両国国技館に本場所を観にいきたい!
2. Posted by はじめ   2007年09月01日 16:13
そうですね。まず協会は変わるべきですね。それと、相撲は八百長ってのどこまで本当なんでしょ。プロレスはガチンコ真剣勝負と35年間信じている男より。(マスクマン2号)

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